The Religion News

[平成30年4月20日号]

御神木の大ケヤキ前で龍神祭

八大龍王の神徳に感謝

水の恵み授ける水分祭も

 

大ケヤキの前で行われた龍神祭=4月4日、埼玉県秩父市の今宮神社

埼玉県秩父市の観光パンフレットにも使われた、今宮神社(塩谷崇之宮司)の境内にそびえる大ケヤキ。早い春の訪れで、「龍神木」として崇められてきた巨木から若芽が一斉に芽吹いた四月四日午前、龍王神の神徳、水の恵みに感謝する「龍神祭」が斎行された。標高千三百メートルの霊峰武甲山(ぶこうさん)からの伏流水が噴き出す同社の龍神池には、霊山に棲む水の神・八大龍王が降りてくるとの信仰が古くからある。同日午後には、歩いて十分ほどの秩父神社(薗田稔宮司)から神部の一行を迎え、田植え前の水分祭が古式ゆかしく行われた。

 

市内の桜はほぼ散り終わったなか、今宮神社の境内では満開のしだれ桜とケヤキの新芽の緑が対照的で、爽やかな春風が吹き抜ける中、御神木前の祭壇に向かい祭事が始まった。幹回り約九メートルの大ケヤキは樹齢約千三百年で埼玉県の天然記念物、境内の清龍の滝は環境省の「平成の名水百選」に選ばれている。

祭主・塩谷宮司の祝詞奏上などに続き、本山修験聖護院先達の瀧田顕浩師のほら貝による般若心経の奉読が行われ、中学一年生の巫女が「豊栄舞(とよさかのまい)」を奉納した。

次いで、今宮神社の責任役員、氏子総代、県議・市議、地元の中町会会長、関係団体代表など約百人の参列者がそれぞれ玉串をささげて拝礼し、祭主の一拝で祭事を終えた。

古くから霊泉が湧く今宮神社の地には、命の源イザナギ・イザナミの神が祀られていた。古伝では、当地に暴れる龍がいたのを、大宝年間(七〇一~七〇四)に飛来した修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が、仏法を守護し観音菩薩の宝珠(魂)を宿す八大龍王を合祀して鎮め、八大宮を建立し、秩父霊場を開いたとされる。

当初は修験の寺で、後に「今宮坊」と呼ばれ、平安時代には寺院や神社が立ち並ぶ一大修験道場・観音霊場を成していた。江戸開幕の前後から、京都・聖護院の直末寺として隆盛を極めたが、明治初めの神仏分離により、今宮坊は「今宮神社・八大宮」と「今宮観音堂(秩父札所十四番)」に分けられた。戦後、境内が無償開放され、平成に入って八大龍王の復興が進められ、行者堂、手水舎、お札場などが整備された。

武甲山は妙見山とも呼ばれ、古くから妙見信仰が根付いていた。八大龍王が妙見菩薩の守護神であることから、今宮神社では平成元年より毎年、龍神祭を行い、近年はパワースポットとしても人気が高まっている。

 直会で交流しながら待つこと約一時間、午後一時半になると、笛の音に先導された白装束で鍬を担ぐ秩父神社の氏子たちの神部(かんべ)一行が今宮神社に到着。同社の水の恵みを授ける・・・

  

今宮神社の塩谷宮司(左)から水麻を受け取る秩父神社の薗田権宮司

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嵯峨の本願寺で法要と宝物展

「東本願寺宝蔵のほとけさま」

京都市

 

「春の宝物展」で公開された貴重な仏像の一部

各地の寺社で春の特別公開などが行われる中、京都市右京区嵯峨の本願寺(大谷光道住職・法主)では四月初旬から中旬まで、先代の大谷光暢法主を偲ぶ闡如會(せんにょえ)の法要を営むとともに宝物展「東本願寺宝蔵のほとけさま」を開催し、大勢の参拝者で賑わった。

今回で六回目となる宝物展では、歴代法主に託されて東本願寺旧宝蔵に納められ、数百年、誰の目にも触れることなく大谷家に伝わってきた仏像・仏画を中心に約二十点を陳列した。

その中には、本願寺十一世顕如上人(一五四三~九二)が織田信長と対峙した石山合戦の間、陣中で日夜手を合わせていたという持仏の阿弥陀如来立像(安土桃山時代)や、源義経ゆかりとされる金銅製の観世音菩薩立像(鎌倉期)、聖徳太子孝養像(江戸期)などがある。

石山合戦のあとで本願寺は東西に分かれた。本願寺がたどった長く波乱に満ちた歴史を知る上でも貴重な品々ばかりで、大谷法主は「(これらのほとけさまたちは)普段はお出ましになりませんが、拝む者の心をほっとさせて下さるような時空を与えてくださいます」などと話す。

 二十一世厳如上人(一八一七~九四)が描いた文殊・普賢・観音の三菩薩像も並んだ。同上人は芸術に対する造詣が深く、絵画や陶芸作品を数多く残した。大谷師は同上人について、・・・

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