5月2日の朝、後醍醐天皇ゆかりの笠置山に登りました。京都の最南端、奈良市に接する笠置町にあり、約300メートル。古くから山岳信仰の聖地で、巨大な弥勒菩薩の磨崖仏を本尊とする笠置寺があります。仏教におけるメシア思想とも言える弥勒信仰は古代インドで生まれ、中国、朝鮮を経て推古天皇の時代に日本にもたらされた一種のユートピア思想で、末法思想が流行した平安時代に最盛期を迎え、笠置寺も栄えました。元弘元年(1331)8月、天皇親政を目指した後醍醐天皇は、鎌倉幕府打倒のため京の御所を脱出して笠置山に籠り、挙兵しました。「元弘の乱」です。天皇を支えたのは山伏や真言僧、そして楠木正成ら悪党たち。しかし、幕府の討伐軍に攻められ、同年9月にあえなく敗退し、後醍醐天皇は隠岐島へ流されまし た。