イノシシがそろそろ食べ飽きてきた三月下旬、山すその竹やぶでタケノコ掘りに追われるようになる。営農集団の倉庫から、大きな鍋とドラム缶を半分に切ったかまどを取り出し、庭先に据えた。山の枯れ木をまきにして、大量のタケノコをゆでるためである▼掘るのは朝。大きなかごとクワ、カマを持ってやぶに入ると、古い竹を切り開いたところに、タケノコが頭を出している。竹林は適度に伐採して管理しないと、無制限に広がってしまう。竹が悪いのではなく、管理しなくなった人間が悪い▼かつて、丈夫な孟宗竹は、刈り取った稲を干すため、田んぼの中で使われていた。そのほかにも竹かごや漁具などが作られていたが、コンバインの導入で田んぼで稲を干すこともなくなり、竹製品はプラスチックに取って代わられた▼昔畑だった山すそが、今はすっかり竹やぶに。同じような風景は全国で見られる。竹炭にして脱臭剤に使ったり、粉砕して肥料や飼料にしたり、燃料チップに加工するなどいろいろ研究されているが、決定打はまだ▼であるなら、何とか個人の力を合わせ、里山の風景を取り戻そうと、暇を見つけて山に入っている。わなによるイノシシの捕獲も進めないといけない。田舎暮らしも結構忙しいが、それが楽しみでもある。おまけに健康になるのなら、老後の極上の生き方ではないか。